こんにちは。Dr.パパスです。
大人になっても「賢い人」というのは仕事もできて憧れますよね?
親からすると子供には賢く育って欲しいと思うのは自然な事です。
いくら学歴社会の世の中とは言え、勉強だけしてれば「賢い」かと言われるとそれも違います。
特に社会に出ると、勉強はできるけど、仕事はできない、なんて事も多々見られます。
ではどのような子育てが「賢い子」になるよう我が子を導けるのでしょうか?
今回は、意識すべきポイントを3つに絞って紹介します。
●好奇心:子供の疑問を大切に
●自制心:ごっこ遊びで伸ばそう
●創造力:色々な経験を積ませる
目次
結論:好奇心・自制心・創造力を伸ばすことが鍵
賢い=知能指数が高い、というのをメディアではよく見ます。
しかしそれは本当に正しいのでしょうか?
人間の知能はIQでは測れない
知能指数を測るのによく使われるのがIQテストです。
これは元々フランスの心理学者のグループが作成したテストだそうです。
30種類の色々な課題を発案し、それをスコア化しました。
発案者もこれが誤差が伴うことを予測していたため、額面通りに解釈しないように警告していました。
しかし、このテストを利用してドイツの心理学者が児童の知能を測定しようとしました。
その結果を「知能指数」という造語で数値したのだそうです。
通常、何かの評価に使う数値は、「その数値が何と相関するか?」というのを実験によって予め明らかにしてから使用します。
例えば、高血圧は健診で指摘されると治療するよう言われますよね?
これは様々な実験において、高血圧が心筋梗塞や脳梗塞といった血管の病気の発症リスクと相関することが分かっているからです。
そのため、血圧を下げることが、血管の病気の予防になるので治療するよう言われます。
IQテストの問題は、IQテストが「何と相関するのか」がしっかり検討されてない点です。
つまりIQテストの結果=知能指数が高いと言ってもそれの意味は明らかではないわけです。
実際にIQテストで何が測定できるのかは、専門家でも意見が一致してないそうです。
成功と関連するのは好奇心・自制心・創造力
そもそも賢さを現すのに一つの数値のみで評価するのは不可能と考えられています。
そのため、研究者達は実際に実験や調査を行いいくつかの要素を抽出しました。
その中の3つが「好奇心」「自制心」「創造力」です。
これらは社会的な成功と思われるものと相関していることが研究で示されています。
上記のIQテストで測る知能指数よりはよっぽど有用なわけです。
子供の知能を決めるのは遺伝半分・環境半分
「親の私が賢くないから、自分の子供も賢くないのでは?」
「生まれた時からこの子はあまり賢いから・・・」
と不安になる親御さんもいるかもしれません。
確かに子供の賢さの半分は遺伝で決まるそうです。
裏を返せば、もう半分は環境によって変えられる、というわけです。
過去の偉人の例でよく出されるのは最年少でアメリカの大統領となったルーズベルトです。
彼は生まれつき病弱で通学する体力もなかったそうです。
その上、性格も内気で喘息も患っていました。
しかしルーズベルトの父親は、彼を献身的に励まし、勉強を教えることでその知能を開花させました。
もちろん最年少で大統領になった人物ですから、遺伝子も恵まれていたのは確かでしょう。
ただそんな遺伝子も病弱だからと諦めるような環境では花開くことはなかったと思います。
つまりお子さんの賢さは、環境次第で変わるということです。
では次からはそれぞれの要素が「なぜ必要」で「どう伸ばすか」を解説します。
好奇心
なぜ必要か?
まず重要な要素は好奇心です。
これは理解しやすいと思います。
好奇心がある人は、思うがままに勉強して賢くなるイメージですよね。
では好奇心は何と関連しているのでしょうか?
実際にあるビジネス研究家が、「お金を稼げる独創的なタイプ」と「他人が発案した計画を実行する管理者タイプ」を分ける特徴は何か?というテーマで調査を行いました。
その特徴が
●関連付ける力(コンセプトや問題を結びつける力)
●疑問をもつ癖(固定観念を疑う力)
●試したい欲求(思いついたアイディアを成功するまで繰り返す力)
だったそうです。
この調査を行った人物の一人は、
「我々が注目したスキルを一言でまとめると好奇心になる」
と述べています。
つまり(お金を稼げる)偉大なリーダーに共通するスキルは知的好奇心だったわけです。
どうやって伸ばすか?
子供を持つ親なら誰しもが経験しているように、子供は好奇心の塊です。
赤ちゃんの頃から、周りに見えるもの興味を持って手を伸ばそうとします。
動けるようになると、今後は手にとったものを口に入れようとします。
子供は常に目の前のものを
関連づけて(これは自分と関係あるのか?ママと関係あるのか?)
疑問をもち(これは食べられるのかな?遊べるのかな?)
試す(実際に食べてみる)
事を繰り返します。
上で紹介した、3つの特徴と同じく好奇心からくる行動をしているわけです。
3歳くらいになり、会話もできるようになると、今度は「なんで?」期が来ます。
これも好奇心から色々な質問をしているわけです。
ここで注意したいのが、親がどんなに簡単だと思う疑問やくだらないと思う疑問もキチンを応えてあげることです。
子供は親が大好きですから、親が喜ぶ対応をしがちです。
そのため年齢と共に徐々に疑問を投げかけることから、正しい答えをする、という方にシフトしてしまうわけです。
こうなるとせっかくの知的好奇心が失われてしまいます。
学校での画一的な解答しかない授業やテストはこういった側面がどうしてもあるので、せめて家庭内では子供の健全な疑問に真正面から向き合ってあげましょう。
それが「好奇心」を伸ばし、我が子を賢くする方法です。
自制心
なぜ必要か?
次に自制心です。
以前の記事でも少し触れましたが、自制心は「実行機能」によって制御されます。
よく自制心の実験で触れられる「マシュマロ・テスト」では、子供にマシュマロを
・すぐに1個食べる
・我慢してから2個食べる
のどちらかを選ばせます。
実行機能が良い子供は、我慢して2個食べるという判断ができるわけです。
この実行機能は研究によって、子供の将来の成績を予測できることがわかっています。
これも分かりやすいですよね。
自分の今行いたい欲求を先延ばしにして、将来の利益をとれる
というのは、
今やりたい遊びを我慢して、勉強することができる
と同義です。
これは仕事や学業での成功だけでなく、健康にも重要なことは用意に想像できるかと思います。
どうやって伸ばすか?
ではこの自制心をどのように伸ばすのか?
実は長年ランダム化試験(科学的な根拠が強い研究手法)が行われてきたものがあります。
それが「ツールズ・オブ・ザ・マインド」です。
簡単に言うと「ごっこ遊び」です。
ごっこ遊びは子供に役を決めてもらい、それになりきる遊びです。
そこには必ずルールがあるはずです。
買い物ごっこだったら、お客さんが商品を選んでお金を払う、店員さんはお金をもらって商品を渡す、といった役ごとの決まりがあります。
それを子供ながらに守ることによって自制心を制御する実行機能が伸びるわけです。
学校でやる学芸会とかも一種の「ごっこ遊び」ですよね。
創造力
なぜ必要か?
最後は創造力です。
これも分かりやすいですよね。
最近で世界一の億万長者になったテスラのイーロン・マスクやアップルを大躍進させたスティーブ・ジョブズといった巨大企業のCEOを、他の人が思いつかないような創造力を持っています。
他の人間が思いつかないような商品を生み出せば、それがヒットした時に大成功を収めます。
反対に自分で創造力を発揮できないと新たな物事を生み出すのは難しいわけです。
どうやって伸ばすか?
創造力は、様々な記憶をもとにして生み出されることが研究で分かっています。
革新的な発想をする人の脳内では、様々なエピソード記憶が再現され、それを結びつけることで新たな発想が生み出されるそうです。
つまり多くのエピソード記憶がある人ほど、新たな発想を生みやすいということです。
そのため、お子さんには小さい頃から多くの経験をさせることが創造力を伸ばすことに繋がります。
様々な経験というのは親からするとリスクが伴うものかもしれません。
「高い木に登って落ちたら怪我するかもしれない」「川で泳いだら溺れるかもしれない」
と心配するとキリがありません。
しかしこういった「リスクを冒す度胸」も創造力と関連することが研究で分かっています。
「子供の挑戦」は安全な範囲で経験させてあげることも重要なわけです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「賢い子供を育てるために意識すべき3つのポイント」を紹介しました。
まとめると、
●賢い子供に育てるには「好奇心」「自制心」「創造力」が重要
●知能指数は賢さを関連するかは不明
●賢さは環境によって変えられる
●「好奇心」を潰さないように子供の疑問には真正面から向き合う
●「自制心」を伸ばすにはごっこ遊びが最適
●「創造力」はリスクを冒すことも含めた多くの経験が大事
ということでした。
親によって優先順位が異なるかもしれませんが、日本社会でうまくやる、という意味では自制心が最も重要な気がします。
しかし自分の欲求を封じてしまうのは自制心とは異なる点は注意が必要です。
それは好奇心や創造力といった大事な要素を潰す可能性もあるからです。
3つの要素をバランスよく育てられるようにしたいですね!
ちなみに私と息子が続けている瞑想は実行機能=自制心を伸ばす可能性があります。
以上です。
明日からの子育ての参考にしていただけると嬉しいです。
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