こんにちは、Dr.パパスです。
子育てをしていると必ず遭遇するのが子供も叱る場面。
でもこの「叱る」というのは非常に難しいですよね。
叱るような場面では、大人も感情的になってしまいます。
ついつい思ったことを口に出して後悔することもあるでしょう。
しかし褒め方と同様に叱り方もコツがあります。
モンテッソーリ教育を参考にした「叱り方のコツ」を紹介しました。
私は実際にこの方法を用いることで子供とのコミュニケーションが円滑になりました。
是非お試しください。
参考図書はコチラ
●罰を与える「条件つき子育て」はデメリットが多い
●子供が危険な時や他人への暴力の時ほど気をつけて
目次
叱り方のコツ3選
過程に注目する
まず最初に避けたい叱り方は、「ダメ!」「やめて!」といった言葉を使うことです。
これらの言葉を浴びせ続けると、子供の脳は戦闘モードになり、相手である親を敵視してしまいます。
反対に子供の気持ちを受け止めると、子供の脳は柔軟性を増し、話を聞くモードになります。
上記の脳のモード変化に関しては研究でも証明されています。
そのため、まず先に相手の気持ちを認めた上で、子供の聞く態勢を整えましょう。
そのためには「叱るに至った過程」に注目しましょう。
子供も一人の人格を持った人間ですから、その行動に理由があり過程があります。
たとえば、走ってはいけない場面で走ってしまった場合、子供の中では急ぎたい理由があったはずです。
走ったこと自体に目を向けてすぐに「ダメ!」というのではなく、
①走りたいと思った気持ちをまず受け止めて(例:急いでいたんだね)
②走るに至った過程を指摘する(例:周りの見てから走っていいか考えてみようか)
過程に着目する方法は、褒め方とも似ていますね。
好ましくない行動の理由を説明する
次のコツは「理由を説明する」ことです。
子供がとった行動が自身や他者にどう影響するか、「道徳心」に重きをおいて「具体的」に説明してください。
子供が親に叱られた時、どんな気持ちでしょうか?
もっともショックを受けるのは「大好きな親に怒られた」という事実です。
そのため、自分がなぜ叱られたのかという重要な事が抜けてしまいます。
我々も上司に感情的に怒られると、怒られた事実だけが残ることはありませんか?
子供は大人と比較して未熟ですので、叱られた理由を具体的に説明しましょう。
そうすることで、子供は自分の行動を結果の因果関係を理解できます。
また他者への影響を理解できれば、思いやりの気持ちも生まれます。
上の例のような場合は、
「走ると他の人にぶつかるかもしれないね」
「あなただけでなく、他の人にも怪我をさせてしまうかもしれないね」
と理由を具体的に説明してあげましょう。
良いフィードバックはお子さんをより良い方向に育ててくれます。
親の素直な気持ちを伝える
最後のコツは、親自身の気持ちを伝えることです。
以前にも少し紹介しましたが、「アイ・メッセージ」ですね。
相手を批判・否定せず、「私」自身の気持ちを伝えることです。
親自身が自分の気持ちを正直に開放することは、子供が他者を思いやるきっかけになります。
そうすることで、人間関係の土台を作られていくと言われます。
「アイ・メッセージ」の反対が「ユー・メッセージ」ですね。
これは相手や相手の行動を直接批判する伝え方になるので避けましょう。
お子さんは「親に責められた」と感じ、戦闘モードになってしまいます。
「アイ・メッセージ」は例えば、
「走って他の人にぶつかって、あなたが怪我するか心配だわ」
「どうしたら走らないですむか考えてくれると私は嬉しいわ」
といった具合です。
「あなたが走ったから、私は悲しかったわ」
とすると後半はアイ・メッセージですが、前半に子供の行動がきています。
これだと、単純に子供の行動を否定しているだけになってしまうので注意しましょう。
このアイ・メッセージで伝える方法は意識しやすくオススメです。
相手への批判をやめるだけで子供の反応は劇的に変わりました。
罰による「条件つき子育て」のデメリット
条件つき子育てとは?
感情的に怒る叱り方がまずいのはなんとなくわかるかと思います。
他にやりがちな叱り方は「罰を与える叱り方」です。
「褒美を与える褒め方」と同じく相手をコントロールしたい心理が働いています。
これらを用いた子育ては「条件つき子育て」と呼ばれます。
無意識でやったとしても、子供の行動や意欲を外からコントロールしてしまいます。
そのため、子供の本当にやりたいことを妨げてしまいます。
条件つき子育てのデメリット
罰を与える事による叱り方するとどうなるのでしょうか?
子供は罰を与えられたことにしか注目がいきません。
例えば、勉強しないことに対して罰を与えると子供は勉強するようになります。
しかしこれは、「勉強することで親の罰を避けられる」という思考によるものです。
本当は「勉強すること楽しい」「勉強することが将来の役に立つ」といったポジティブな動機で勉強をして欲しいですよね?
またこの効果は短期的にしか効果がありません。
ネガティブな動機による行動は長続きしないので、結局勉強しなくなります。
それが繰り返されると「どうせ罰を与えられるから勉強しない」「勉強なんて楽しくない」
と、次々とネガティブな思考になっていき負のスパイラルに突入します。
そしてこの条件つきの子育ては、世代を超えて引き継がれるそうです。
身に覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も完全に身に覚えがあり、私の代で変えなければ!と思いました。
無条件子育てを目指して
「条件つき子育て」の反対が「無条件子育て」です。
簡単にいうと、子供の行動の良し悪しに関係なく愛情を注ぐということです。
これは子供の好き勝手にさせるとはまた違います。
重要なポイントは、
- 褒め方・叱り方に気をつける
- 子供に対するイメージを変える
- 子供への要求を考え直す
褒め方に関しては以前の記事、叱り方に関しては上記を参考にしてください。
子供に対するイメージを変えるというのは、子供を一人の人格者として扱うということです。
どうしても親は子供を未熟と考え、何でもレールを敷いてしまいがちです。
可愛い我が子に失敗をしてほしくないという気持ちもわかります。
しかし、「子供は一人でできる力がある」というイメージ像があれば、サポート役に回れるでしょう。
そうすること、子供は自主性をもって伸び伸び成長できます。
子供への要求は、「成長に応じた要求」を心掛けましょう。
生まれたばかりの赤ちゃんに「立ちなさい!」と叱る親はいませんよね?
成長してもそれは一緒で、子供は特に成長に個人差や性差が大きいものです。
食事中にこぼさずに食べる、仕事に間に合う時間までに急いで出る、という親の基準ありきの指摘の場合、子供の成長度合いを無視してしまっているかもしれません。
無条件子育ては難易度がすぐ実践するには難易度が高いかと思います。
しかし、子供の自主性を伸ばし、自信をつける子育て法なので徐々に実践したいものです。
特に気をつけたいシーン
少し話が脱線しましたが、特に注意した方がいい叱る場面を紹介します。
以下のシーンは、親にとっても緊急事態ですので、まず親が落ち着くことが大事です。
子供が危険な時
これはわかりやすいですよね。
お子さんが階段から落ちそうだとか、道路に急に飛び出すといった時です。
こういった子供が危険な時はとにかく止めましょう。
コツとか言っている場合ではありません。
ただその後にかける言葉が重要です。
子供自身を否定するような叱り方は避けましょう。
「あなたはいつも不注意なんだから!」と言われるとお子さんは、
親に怒られたショックと、否定されたショックを受けてしまいます。
まずは親が落ち着いた後に、
「危なかったね、大丈夫?心配したよ?」とお子さんを受け入れてあげましょう。
その後、具体的に危ない理由を説明してあげましょう。
子供が暴力をふるった時
子供が大きくなり、友達とコミュニケーションをとるようになると遭遇しますよね。
暴力はどんな理由があれ悪いことです。
しかし、暴力という行動自体は悪ですが、暴力に至った感情は必ずしも悪ではありません。
叱るコツで説明したように、暴力に至る理由や過程に目を向けましょう。
そしてまずは受け入れてあがることを忘れずに。
「あなたは乱暴者なんだから!」というのはNGです。
「叩いてしまうほど悲しかったんだね」
「〇〇されたから悲しかったんだね」
「でも叩かずに伝える方法はなかったかな?」
と感情を受け入れた後に、一緒に考えてあげると良いかもしれません。
子供が他人の尊厳を傷つけた時
暴力と同じく、他人の尊厳を傷つけるのもやってはいけません。
「言葉の暴力」や「ネットでの誹謗中傷」は暴力よりも影響力が強い時代です。
友達に酷い言葉を言ってしまったり、はたまたイジメの加害者になってしまうこともあるかもしれません。
親も相手の親や周囲から避難され、感情が揺れ動くことでしょう。
しかし、子供は親に以上に動揺しています。
こういう時にも冷静に子供も向き合えるように事前に声掛けを考えておくことも重要です。
「なんて酷い子なの?」とかは絶対にNGです。
「何かすごい悲しいことがあったのかな?」とまず受け入れ、
「他の子を傷つける言葉を聞くのは悲しいな」とアイ・メッセージの後に、
「そうしないで済むには友達と話しあったらどうかな?」と具体的な提案
といった対応ができるといいですね。
上のような3パターンは親も冷静でいるのが難しい状況ですので、
すぐに言葉を発さずにまずは親が落ち着くことが重要だと思います。
まとめ
いかがでしたか?
前回とは対象に叱り方に関して紹介しました。
まとめると、
叱り方の3つのコツは、
①過程に注目して、まず子供の気持ちを受け止めてから指摘する
②好ましくない行為の理由を具体的に説明する
③アイ・メッセージを使って、親の素直な感情を伝える
でした。
罰を使った叱り方や、褒美を使った褒め方は「条件つき子育て」になります。
条件つき子育ては、子供の意欲を減らし、ネガティブな思考につながるため危険です。
しかも世代を超えて受け継がれてしまいます。
是非我々の代で、無条件子育てに切り替えていきましょう。
最後に紹介した
子供が危険、子供が暴力をふるった、子供が他人の尊厳を傷つけた
ような場面では、ついやってはいけない叱り方をしがちですので要注意です。
事前に叱り方を検討したり、とにかく親が冷静でいることが大事ですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回の記事が明日から皆さんの子育てに役立つと嬉しいです。
こちらは以前紹介した褒め方のポイントです。
合わせて参考にしていただけたらと思います。