子育て世代に役立つ知識を発信

「すごい」は禁句? 子供の褒め方のポイント3選

こんにちは、Dr.パパスです。

日常生活で可愛いお子さんを褒める機会というのは多いと思います。

せっかく褒めるのであれば『子供の成長を促す』ような褒め方をしたいですよね?

反対に褒め方次第では逆効果になってしまうこともあるのをご存知ですか?

今回は、そんな褒め方に関してオススメの方法を紹介します。

この方法はこの本に紹介されている科学的根拠に基づいた方法です。

他にもデータに基づく子育てについても書かれてます。

この記事でわかること
●「簡単に褒める」「才能を褒める」は逆効果

●「過程」を「具体的に」褒めて子供をチャレンジャーに!

● 時には何も言わないことも大事

今回の記事は1998年にスタンフォード大学で行われた褒め方の研究を元に記載してます。

お忙しい方は、まとめだけでも読んでいただけたらと思います。

簡単な褒め方は逆効果

簡単な褒め方とは?

「簡単な褒め方なんてしてませんけど!」とお叱りの言葉を受けそうですが、私は結構やってました。

具体的には「すごい!」とか「えらい!」とかです。

子供が何か親にとって嬉しい事や、都合のいい事をすると、つい口から出てしまうこともあると思います。

そもそも褒めるというのは、「評価者の主観で他者の良し悪しを決めること」なのです。

なのでどうしても「親の主観」で「都合のいい行為をして欲しい」心理からこういった褒め言葉で出てしまいがちになります。

褒められ依存症は要注意

ではこういった褒め方をされると何が問題なのでしょうか。

簡単な褒め方は言葉も短く、何も考えずに親も使え、子供もご機嫌になると思うのでついつい多用してしまいます。

しかし、褒めることが多くなってしますと、子供はいつしか

「依存症」になってしまいます。

つまり褒められないと自信が持てず、他者からの承認でしか自分の価値を見いだせなくなってしまいます。

その結果、褒められるようなことしかしない選択をするようになります。

簡単な褒め方のデメリット

デメリットは他にもあります。

褒められ依存症により、ほめられるためだけに行動すると、その行動自体の価値を見失ってしまいます。

せっかく練習して上手になったスポーツも「上手」「上手」とだけ褒めていると、

最初はスポーツ自体が楽しくて頑張っていたのが、褒められるために頑張るになってしまいます。

そうすると、元々の楽しいという気持ちが薄れていってしまいます

さらに簡単に「上手」「上手」とずっと褒められていると、頑張らなくても評価を受けると理解し、

モチベーションの低下にも繋がります。

 

また、褒められ行動だけ行うというのは、裏を返せば褒められない行動はしない、ということです。

最初から上手にできないものは褒められないという理由からチャレンジ精神も失われます

才能を褒めるのも逆効果

才能を褒めるとは?

次に「才能を褒める」についてです。

才能を褒めるというのは、その人中心に能力を褒めるということです。

例えば「頭いいね!」とか「足が速いね!」とかです。

これは子供が行ったことの結果に対して、子供の生まれ持った(または獲得した)

能力に対して評価を下しているということになります。

また「可愛いね」とか「お兄ちゃんらしいね」とかも、能力を褒めています。

自分も3歳の娘には「可愛い」を連呼してました・・・

才能を褒めると硬直マインドセットに

こういった褒め方はどう問題があるのでしょう。

生まれ持ったものにせよ、獲得したものにせよ能力を褒めていると「失敗した時の考え方」に

違いが生じます。

普段から才能を褒められている子供は失敗した時に「才能がないから失敗した」と考え、

追い詰められてしまいます。

成功は生まれつきの才能で決まると考えてしまうので、それがどこまでもついてまわり、

人生を決めると思ってしまいます。

その結果は、自分は才能がないから、と理由に挑戦をしない「硬直マインドセット」に陥ってしまいます。

才能だけ褒めるデメリット

他にも「可愛い」といった外見を褒めることを繰り返すと、自然と価値観の中心が自分の外見に寄ってしまいます。

そのなると、自分の外観に固執して不健康なダイエットや美容方法を取り入れたり、

何かのキッカケ外見が変わった際に自分を否定するようになってしまいます。

また「お兄ちゃんらしいね」や「男の子らしいね」といった旧来の固定観念をもとにした褒め方は、

性別や学年を超えた多様性を受け入れにくくしてしまいます。

子供時代は比較的画一した集団にいることが多いですが、社会に出ると様々な人がいます。

その中で、多様性を受け入れるという価値観は海外にも視野を向ける際には、特に重要なのではないでしょうか。

「過程」を「具体的に」褒める

過程を褒めた方が子供の意欲が上がる

ここまではオススメしない褒め方を説明してきました。

では、実際にはどのような褒め方がいいのでしょうか。

冒頭にも紹介した、スタンフォード大学で行われた研究では、

「簡単に褒める」と「才能を褒める」と「過程を褒める」ことが比較されています。

研究の内容を簡単に解説します。

対象は小学5年生で、全員にIQテストを受けた後に、3グループに分けます。

それぞれのグループに上記の比較する3種類の褒め言葉をかけます。

具体的には

①「よくできたね!」

②こんな問題ができるなんて「頭がいいね!」

③問題を解くために「諦めずに頑張ったね!」

といった具合です。

その後、次のテストを簡単なものにするか、難しいものにするかを選択させます。

今度は、最初のテストより難しいテストを解かせます。

最後に、最初のテストと同じ難易度の問題を解かせます。

以上の結果を、3つの褒め方で比較しました。

 

初めに行った、次のテストの選択に関しては、

「過程を褒められたグループ」では約90%が難しい問題を選択しました。

一方「簡単に褒められたグループ」は約50%、「才能を褒められたグループ」は約70%が簡単な問題を選択しました。

つまり、過程を褒めると子供は挑戦的になった、ということです。

「過程」を褒めて成長マインドセットに

成功を、一生懸命がんばった結果と信じるのは成長マインドセットと呼ばれます。

自分の能力というのは、生まれ持った才能ではなく、自分の努力によって身につくと考えます。

そのような考えだと、たとえ失敗しても「努力をすれば成功できる」と思い、

困難な事に対しても根気強く取り組むことができるようになります。

親としては、こういった子供の姿を望みますよね?

ちなみにこういうマインドセットは結果にも結びつくようで、

先程の研究で行った、最初より難しいテストおよび最初と同レベルのテスト共に最も高い点数をとったのは、

「過程を褒められたグループ」でした。

ちなみに「才能を褒められたグループ」では最初と同レベルのテストを再度受けた際に

点数が下がっていた、という結果なので、褒め方の重要性が分かりますよね。

子供に気づきを与える「具体的な言葉」

「過程を褒める」ことの重要性はご理解いただけたかと思います。

ではもう少し突っ込んで褒め方のポイントを加えると、「過程」を「具体的」に褒めると

より効果的です。

具体的には、

「問題に粘り強く取り組んでいたね。特に◯◯の部分は余白に自分の考えを書き出してて良かったよ」

といった具合です。

子供は思った以上に賢いですが、大人のような行間を読む、ような事は経験が物を言うので苦手です。

なので親が具体的には過程を具体的に褒めることで、どこが良かったか明確にわかります

仕事でも具体的なフィードバックをもらったほうがやりやすいですよね?

時には「何も言わない」のも大事

褒める=親の評価

褒めるだけが効果的ではないということです。

上の方でも解説しましたが、そもそも褒めるというのは他者が評価を下してます。

子育ての関係上、どうしても褒めることの背景には親の評価がついてきます。

どうしても親子の力関係があるのは仕方がないので、親は自分の都合よく褒め、

子供は親の顔色を伺い褒められる行動をとる、という流れになりがちです。

子供は親と感情を共有したい

しかし、子供が本当に求めているのは評価ではありません。

本当は「大好きな親と自分の達成感を共有したい」のです。

上手にレゴができた、上手に絵が書けた、難しい計算が解けた、といったことから生じる喜びや興奮を一緒に分かち合いたいのです。

これはあるコミュニティに所属し関係を結ぶという人間の基本的な欲求のひとつです。

子供にとっては、親と気持ちを分かち合うことで、自分の居場所があることを確認し幸せを感じます

つい嬉しい子供の顔をみると「すごいね!」とか「上手だね!」とか言いがちですが、

グッと堪えて「笑顔になる」「うなづく」といった行動のみにしてみましょう。

そうすることが、「ちゃんと見ているよ」「分かっているよ」というメッセージになり、子供との共感になります。

まとめ

いかがでしたか?

今回は子供を褒める際のコツに関して紹介しました。

まとめると、

「すごいね!」「上手だね!」といった簡単な褒め方や、

「頭いいね!」「足が速いね」といった才能を褒める方法は

子供のモチベーションを低下させ、能力も低下させてしまいます。

一方で上手な褒め方というのは

「最後まで考え抜いて頑張ったね」とか「毎日練習してきたもんね」といったように

「過程」褒める方法です。

さらにその過程を「具体的に」褒めることで、より子供の理解が深まります。

また、言葉で褒めるだけでなく、

「笑顔を向ける」「うなづく」といった行動で子供と感情を共有するのも有効な手段です。

 

大事な褒め方の3ポイントは、

●「過程」を褒める

●「具体的」に褒める

● 時には褒めないで気持ちを共有する

でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回の記事が明日からの子育てに役立ってくれると嬉しいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA