こんにちは。Dr.パパスです。
今までは問題なかったのに子供が産まれてから夫婦喧嘩が増えたなんてことはありませんか?
子供を授かることは非常に喜ばしいことですが、出産をキッカケに夫婦間に亀裂が入ることは珍しくはありません。
また夫婦喧嘩は、例え赤ちゃんの時でも、子供に悪影響を与えます。
ではそんな産後の夫婦間のトラブルはどのように回避すればよいでしょうか?
今回は夫婦喧嘩を避けるためのポイントを3つに絞って紹介します。
これから子供を授かる方、二人目を検討している方の参考になる記事になっています。
特にお父さんが気をつけるポイントが多いので、お父さんは心して読んでください。
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Dr.パパス
●夫婦喧嘩は子供の感情コントロールを困難にする
●共感力を鍛えて、夫婦仲を良好に!
目次
結論:夫婦喧嘩の原因は睡眠不足・社会的孤立・仕事量の不平等
夫婦喧嘩を避けるためにはその原因を知ることが重要です。
出産はそれ自体が新しい命を授かる幸せなものです。
その反面、出産後にお母さんの体には相当なダメージが与えられます。
交通事故にあうくらいのダメージ、なんて例えられるほどです。
更に産後はいきなり身体的・社会的な環境変化が襲ってくるのです。
夫婦喧嘩の原因のほとんどはその変化に由来します。
その中で重要なのが、
「睡眠不足」「社会的孤立」「仕事量の不平等」の3つです。
新生児のお母さんは毎日当直
お子さんがいる方は経験がある通り、産後すぐの新生児に「規則正しい生活」なんてものはありません。
少し寝ては目覚めておっぱいを飲み、少し寝ては目覚めておっぱいを飲み、の繰り返しです。
もちろん夜も続きますからお母さんは十分な睡眠がとれません。
たまに赤ちゃんと一緒に日中寝れるでしょ?なんてことを言われるお母さんの嘆きを目にします。
しかし、日中の断続的な睡眠と夜間の長時間のしっかりした睡眠では全然違います。
夜勤を経験するとよく分かりますが、緊張感の中での睡眠では疲れはとれません。
お母さんは無意識のうちに、赤ちゃんが泣いたらすぐ起きないと、という気を張っています。
そのため、寝ててもなかなか疲れもとれないわけです。
私の妻も医師なので、当直経験があります。
医者の夜勤はなかなかブラックで、当直明けも普通に働かされます。
そんあ当直を難なくこなしてた妻でも産後の睡眠不足は大分こたえていました。
やはり赤ちゃんのリズムが安定するまでずっと、しかもゴールはいつか分からない。
というのがかなり精神的にキツイようでした。
睡眠不足が精神に悪影響を与えるのは研究で明らかです。
睡眠不足の方は、感情のコントロール力、問題解決力、認知機能、身体機能が低下します。
そんな状態で四六時中、赤ちゃんに気を回していたら、夫に対してはどうなるか?
キツイ当たり方をして喧嘩の原因になるのは察しがつきますね。
夜間の授乳を少しだけミルクに変えてパパがやる、子供の寝かしつけを少しでも変わってあげる、
といった方法でお母さんの睡眠時間を確保してあげてはいかがでしょうか。
奥さんの話し相手は赤ちゃんだけ?
次の原因は社会的な孤立です。
お母さんは出産すると突然赤ちゃんと二人きりの時間に長時間さらされます。
もちろんカンガルーケアに代表されるような、赤ちゃんとお母さんのスキンシップは重要です。
それと同様にお母さんが他者と社会的な交流をするのも重要なのです。
女性は、ストレスを感じるとオキシトシンが分泌されるます。
このホルモンは、母乳を出すのに重要なホルモンですが、気持ちを落ち着かせる効果もあります。
またオキシトシンは女性の場合、社会的な交流によっても増加するそうです。
そのため、産後のストレスに立ち向かうには奥さんが社会的に孤立しないようにすることが重要なわけです。
ただ現実には、核家族化が進み、さらにコロナによる孤立化が進んでいるのが現状です。
そのため、言葉がまだ通じない赤ちゃんの相手を四六時中しているお母さんは大人との交流を求めています。
仕事で疲れていても奥さんの話をキチンと聞く、休みの日は思い切って奥さんに友達と食事に行ってもらう、
など大人との社会的交流の機会を作ってあげましょう。
なんちゃってイクメンはやめよう
第3の原因は、仕事量の不平等です。
家事は女性の仕事という固定観念のある日本社会では特に目立っているかと思います。
かくいう私も子供が産まれる前はほとんど家事とかしてませんでした・・・
実際には家族がいる女性は家事の70%をこなしています。
しかも上記のようなストレスの要因を抱えながらです。
専業主婦なんだから、というコメントをたまにみますが、仕事している男性に置き換えるとどうなるか?
時間関係なく仕事をふってくる、気分にムラのある上司がいて、夜もウカウカ寝れない。
さらに職場に同僚はおらずそんな上司と二人きり。
そして家に帰ると家事の多くはやらないといけない。
控えめにいって地獄ですよね。
ということで、家事を積極的にこなすことも夫婦仲を悪くしないポイントになります。
最近は家事が苦手な男性にも協力な助っ人がいます。
ロボット掃除機、ドラム式洗濯機、食洗機、などは家事にかかる時間を軽減してくれます。
あとはゴミ捨て、風呂掃除、トイレ掃除などは男性でもやりやすいでしょうか。
料理が苦手でも食材を買ったり、選んだりはできますよね?
色々と視点を変えてお父さんも家事に参加してみてはいかがでしょうか。
ちなみに「手伝う」というワードは、お母さんがやる前提というニュアンスを含むので
絶対に使ってはいけません。
夫婦喧嘩が子供に与える影響
夫婦喧嘩が子供に悪影響を与えるのは何となく察しがつくと思います。
では実際にどのような影響があるのでしょうか。
脳は安全は状況を求める
人間は赤ちゃんの頃から「生きる」という事に合目的な成長をします。
何もできない赤ちゃんが生きるためにまず求めるのが「安心感」です。
両親が愛情あふれる接し方をすることで、安心感を持ち安全であることがわかるのです。
反対に夫婦喧嘩が絶えないような環境で、赤ちゃんは安心感を得られるでしょうか?
ヒトはストレスを感じると、ストレスホルモンであるコルチゾールを分泌します。
まだ色々な感覚が未熟な赤ちゃんでも、オシッコにでてくるコルチゾールが量が、夫婦喧嘩によって増加することがわかっているそうです。
つまり赤ちゃんですら夫婦喧嘩によってストレスを感じているのです。
そういった安心感を得られずに成長した子供は、身体的にも社会的にも問題が生じます。
具体的には摂食障害や反社会的な行動などです。
感情のコントロールが困難に
さきほど紹介したコルチゾールはストレス時に分泌されるため、普段は少ないことが重要です。
コルチゾールが高い状態で維持されていると、より大きなストレスに対する反応が鈍くなってしまうからです。
感情のコントロールの記事でも話したように、感情の源の一部はストレスに起因します。
特に問題行動に発展するような感情の源はほとんどがストレスです。
ストレスに反応した1次感情に名前をつけて、制御するというのが、感情コントロールに重要でした。
しかしストレスに対する反応が鈍いと、名前をつけたり制御するのがより困難になるわけです。
もし夫婦喧嘩をしてしまったら?
ここまでは、夫婦喧嘩の原因や子供への影響を解説しました。
人間は感情がありますから、わかっていても喧嘩をすることはあると思います。
最後に夫婦喧嘩をした後に気をつけるポイントを紹介します。
子供の前で仲直りする
子供の前でついカッとなって喧嘩をしても仲直りは隠れてということはありませんか?
研究によると、子供の前で喧嘩をするよりも、仲直りの場面を見せない方が子供への悪影響は大きいそうです。
考えてみれば確かにそうですよね?
喧嘩をしていた両親がいつの間にか仲良くしていたら、その関係修復の過程を子供は学べません。
他者と喧嘩をしても勝手に修復されるという、誤った認識をしてしまいます。
そのため、子供の前で喧嘩をした場合は、必ず仲直りも子供の前でしましょう。
共感力を鍛える
これまでの記事でも育児には共感が重要であること何度も紹介してきました。
これは夫婦間にとっても非常に重要です。
ある研究によると、夫婦間の対立の70%は解決できないそうです。
近い価値観を持つ夫婦といえ、自分とは違う人格ですから当たり前のような気もします。
そのため、解決を必要としない共感は夫婦間を良好にする潤滑油になるわけです。
どうせ解決しないのであれば、相手に共感してみましょう。
売り言葉に買い言葉では火種を増やすだけですからね。
共感自体は相手の気持ちを考えて、その感情を受け入れることなので子供相手と同様です。
あとはどこまで、その状況で冷静になれるか、です。
これは徐々に訓練していくしかありません。
子育て=親育て、といったところですかね。
第三者への相談も検討
それでもどうしても喧嘩が絶えず離婚や暴力沙汰に発展することもあるのが悲しい現状です。
大事なのは、そうなる前に誰かに相談するという事です。
ヒートアップした夫婦同士では、冷静な意見交換が難しい状況もあります。
しかし、離婚や子供の前での暴力というのは子供大きなトラウマを残します。
実際に親が離婚した家庭の子供は、薬物乱用の確率が高く、学歴も低いこと多くなります。
これは無理だな、と思った時にすぐ重大な結論を出さないでください。
一度立ち止まり、第三者に相談することで最善の方法を選びましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「夫婦喧嘩を避けるためのポイント3選」について紹介しました。
まとめると
●夫婦喧嘩の原因は、睡眠不足・社会的孤立・仕事量の不平等
●お母さんの睡眠を確保するために、夜間のミルクあげや夜泣きの寝かしつけに参加を
●お母さんが友達と会える時間を作ってあげよう
●家事の負担はなるべく平等に
●夫婦喧嘩は子供にストレスを与え、感情コントロールを困難にする
●喧嘩をしたら仲直りも子供の前で
●共感力を鍛えて夫婦仲を良好に
という内容でした。
人間ですので全く夫婦喧嘩をしないというのは難しいですが、
少しでも良好な夫婦関係にはしたいものです。
今回の記事が明日からの子育て夫婦生活の助けになれば嬉しいです。
参考図書は以前にも紹介した良書です。