子育て世代に役立つ知識を発信

【反省は犯罪者を作る】ピンチをチャンスに変える子育てのコツ

こんにちは。Dr.パパスです。

荒れ狂う子育て生活をしている皆様、いつもお疲れ様です。

子育てをしていると、つい「しつけ」と称して子どもを叱って「反省させる」事がありますよね。

7歳息子が、3歳娘の嫌がることをすると

Dr.パパス
Dr.パパス

ダメでしょ!ちゃんと謝りなさい!!

と言うことがしばしばです。

でもコレって実はかなり危険な子育て方法なのかもしれません。

そんな事を考えさせられる本を読んだので紹介させていただきます。

「反省させると犯罪者になります」という、かなりパンチの効いたタイトルの本です。

刑務所における受刑者の更生支援に関わっている立命館大学の教授が著者になります。

メインは受刑者に関する話です。

刑務所での教育のあり方から、反省をさせることの問題点に関して触れています。

反省することがむしろ犯罪につながるというのは、かなりショッキングですよね。

最後に子育てに関しても触れており、子育て世代にも知ってほしいと思い、一部を紹介します。

気になった方は是非本書を読んでみて下さい。

この記事を読んで欲しい人

自我が目覚めてきた年頃の子どもを持つ親御さん

反抗期まっさかりの子どもを持つ親御さん

子どもが問題行動を起こすことが増えてきたと感じる親御さん

この記事でわかること

反省だけさせるのは逆効果である

反省文を書かせるのは無意味

子どもは問題行動を起こした時にどうすればいいか?

結論:問題行動が起きたら背景にある理由を突き止める

問題行動→まず反省は逆効果

例えば、お子さんが友達とケンカして叩いた時、みなさんはどうしますか?

Dr.パパス
Dr.パパス

暴力をふるうなんて最低だ!

反省しなさい!!

Dr.ママス
Dr.ママス

こんな乱暴な子に育つなんて

子育てに失敗したのね

7歳息子
7歳息子

・・・・

という家庭は多いのではないでしょうか?

日本では「他人に迷惑をかけない」ことを美徳と思う風潮があります。

そのため問題行動を起こすと過敏に反応し、とにかく反省させようとしがちです。

自分もよく取っている行動です・・・

しかし、毎回問題行動を起こすたびに反省をさせていると、その原因に目を向けるのが困難になります

子どもも一人の人格を持つ人間です。

何か問題行動を起こすのには、それなりの理由があるはずです。

反省だけさせるというのは、原因究明をするチャンスを逃すことに繋がるわけです。

溜まった負の感情が問題行動の引き金に

犯罪者の加害者に共通している事の一つとして、負の感情を抱えていることが挙げられます。

反省を繰り返しても、自分が犯罪を起こした原因となる感情には気づけません。

日常における反省の積み重ねは、こうした負の感情に気づいて、発散することを妨害します。

小さいストレスは、運動したり友人と遊んだりすることで解消できます。

しかし、こうした物を溜め込むと健康を害する原因になりますよね。

同じように負の感情は溜め込むことで、大きな犯罪につながると著者は述べています。

実際に受刑者と長年付き合っている方がいうと説得力がありますよね。

大きな犯罪を我が子が犯さないようにするため、負の感情を溜め込まない事が重要なわけです。

問題行動が起きたら叱らずに話を聞く

では、問題行動が起きた時はどうすればいいのでしょうか?

まずは「問題行動を起こした原因と感情」をとにかく聞いてあげましょう。

そうすることで、「問題行動」と「自分の内面の問題」との関係を考えさせることができます。

その際には、子どもを全面的に受け入れる親の姿勢も重要です。

たとえ子どもが間違ったことを言っていても指摘しないようにします。

Dr.パパス
Dr.パパス

普段から思っていることを話してもらえるかな?

7歳息子
7歳息子

〇〇くんはいつも僕にイジワルをするんだ

Dr.パパス
Dr.パパス

〇〇くんは息子にイジワルをするんだね

そうされると息子はどんな気持ちなのかな?

7歳息子
7歳息子

そりゃイヤな気持ちだよ

でも普段は我慢してるんだ

Dr.パパス
Dr.パパス

そうか、いつもイヤ気持ちを抱えてたんだね

叩いちゃったのは何か原因があったのかな?

7歳息子
7歳息子

何度もイジワルしてくるからやめてって言ったよ

でも何度言ってもやめてくれなかったから、叩いちゃったんだ

Dr.パパス
Dr.パパス

口で言っても聞いてくれなかったから叩いてしまったんだね

今だったらどうしたら良かったと思うかな?

7歳息子
7歳息子

叩くのはいけないと思うから、何度もいう

それでもダメなら先生に言う?

Dr.パパス
Dr.パパス

そうだね

他の大人に助けてもらうのはいいアイディアだね

といった感じです。

親が子どもの問題行動を起こした際の原因と感情を聞くことで、子どもは自分の感情に気づくことができ、これからどうすればいいかも自分で導き出すことができるようになります。

問題行動が起きた時は、日常の抱えている問題を解決できるチャンスでもあるわけです。

実際は毎回こんなに上手くいくわけではないですが、親の聞く姿勢は重要です。

愛のある親子関係は、親が子どもを受け入れることで育まれるものですからね。

また、こういうやり取りは子どもが感情的になっている時は絶対にできません。

子どもの気持ちが落ち着くまでは何も言わずに待ってあげましょう。

ポイント

子どもが問題行動を起こしたら、反省させずに、まずは話を聞く

問題行動が起きた時は、日常の気持ちの問題を解決できるチャンス

反省させることの問題点

本書では受刑者の話題を中心に反省させることの問題点を説いています。

加害者は反省だけが上手になる

刑務所に限らず、学校生活ではある程度の年齢になると反省文というものを書かされます。

例えば暴力などの問題行動を起こした生徒は、停学という謹慎処分を受けます。

その期間に反省文を書くことで自分の行いを省みて、今後どうするかを考えます。

大抵が

迷惑をかけて申し訳なく思います。

注意してくれた事に感謝します。

感謝の気持ちを忘れず学業に励みます。

今後二度と同じことをしません。

といったフレーズが入り、これが模範的な反省文なのだそうです。

しっかりとした反省文が書かれていると、晴れて謹慎がとかれます。

しかし、これだけではなぜ問題行動を起こしたかが全く考えられていません。

こういった反省を繰り返していても、気に入られる反省文を書くこと、が上手になるだけです。

つまり上辺の反省だけが上手になっているのと同じわけです。

反省だけさせても更生しない

ではそういった反省を繰り返してきた人が大きな犯罪を起こすとどう考えるでしょうか?

刑務所では被害者を視点を取り入れた教育をするそうです。

その中で加害者が被害者に抱く感情は、実際には反省ではないそうです。

「被害者がいたせいで、自分は今刑務所にいる」

「被害者は、被害にあうだけの事をしていたから当然の仕打ちだ」

と被害者やその家族からしたら、とんでもない話ですが、実際にそうらしいです。

つまり反省ばかりして育ってきた加害者は反省のプロではなく、反省文のプロすなわち上辺だけの反省をするプロにしかなっていないわけです。

刑務所に入って刑期を過ごしても上辺の反省しかできません。

しかも、その原因や自分の感情と向き合っていないので、負の感情は内に秘めたままです。

その状態では、また負の感情が溜まった後に爆発して犯罪を起こしてしまいます。

つまり反省だけでは更生に繋がりません。

自分と向き合う事が反省につながる

著者はこうした加害者の更生にあたり、まずは加害者の心情に耳を傾けるそうです。

加害者のほとんどは、過去にあった親との関係や友人との関係から、負の感情を抱きやすくなっています。

例えば、親から大人らしく振る舞うように育てられた、信じていた友人に利用されていた、などです。

こういった環境では、他の人を頼るという考え方ができなくなります。

他の人に頼れないということは、全てを自分で解決しなければならないということ。

そんな事は不可能ですよね。

そういう考えでいるとドンドン負の感情が溜まってしまい、最終的に爆発してしまいます。

犯罪の背景にあるのは、これまでの人間関係から来る自分の考え方・生き方である。

この事に気づかせるには、加害者に自分で吐き出させるしかありません。

著者は加害者に受容的な態度で接し、心情を引き出すことを最初に行うそうです。

そうすることで、加害者は自ずと被害者に思いをはせて、真の反省を行うそうです。

ポイント

反省だけさせても、上辺の反省のみで、更生はできない

子育てにどう応用するか?

親子関係の負の連鎖は犯罪の温床になるかもしれない

先ほど、負の感情を抱きやすくなる下地を作るのは人間関係と紹介しました。

ショッキングな事に、著者によると、このほとんどが親子関係から来るのだそうです。

我々の価値観はどうやって形成されるのでしょうか?

ほとんどが自分の経験から形成されると思いますが、その基礎となるのは幼少期の体験です。

つまり親から十分な愛情を受けて育っていない場合、他人を頼ることが難しくなります。

大好きな親から拒否されるのですから、他人からは受け入れるわけないと思うわけです。

「早く一人前になりなさい」「もうお兄ちゃんなんだからしっかりしなさい」

という言葉がけも子どもの甘えをある意味拒否しています。

こういった言葉がけをされても自分は犯罪者になってないと思われるでしょう。

しかし、子育ての仕方というのは遺伝しやいです。

子育ての授業なんてなく、自分が受けてきた子育てが唯一の手がかりなわけですから。

そうすると親と同じ子育てが世代を超えて行われるのは自然です。

著者はこれが繰り返されることで、たとえ自分の代が大丈夫でも子孫の代で犯罪者が産まれる危険性がある、と警鐘を鳴らしています。

注意

負の感情を抱きやすい子育ては親子間で受け継がれていく

どこかで変えなけば危険

子育ての仕方が親子間で受け継がれることに関しては、以前紹介した本にも記載されていました。

子育ての仕方を学ぶ機会を設けるのは課題かもしれませんね。

確立された子育てというのがないのが問題ですが・・・

とにかく受け入れて話を聞く

では、これから我々はどのように子どもに接したらいいでしょうか?

上でも述べたように、受容的な態度で子どもに接することです。

とにかく親は子どもの味方で、何を言っても受け入れるよ、という態度を示すのが重要です。

そうすることで子どもは親に正直な気持ちを話してくれるようになるはずです。

これまで聞いてこなかった親御さんは、受容的な態度をとる前に、

Dr.パパス
Dr.パパス

今まで話をちゃんと聞けなくてごめんね

これからはちゃんと聞くから教えてくれるかな?

と素直に謝罪することも大事なのだそうです。

愛のある人間関係に上下はないので、親に非があると思えば謝罪するのも大事なわけです。

話を聞くことで子どもは自分の心情に気づき、問題行動を起こした原因もわかります

そうすれば自ら今後の行動も考えることができます。

お子さんが小さくて考えることが難しい時は親御さんが一緒に考えてあげましょう。

こういった事を親がすることで、子どもは他人に頼るということを学んでいきます

人に甘える事ができるというのは社会で生きていく上で大事なスキルですよね。

子どもに正論をぶつけない

受容的な態度では子どもの言うことに口を挟まずに聞くことが大事です。

特に子どもが間違ったことを言っても、子ども正論をぶつけるのはやめましょう。

「暴力をふるう事は悪いことだ」

「未成年でタバコを吸うことは法律で禁止されている」

という事もわかった上で子どもは問題行動を起こします。

そこに正論をぶつけると子どもは何も言えなくなってしまいます

また正論により、親が子どもを論破してしまうと自然と上下関係ができてしまいます

これでは子どもは心を開くことが難しくなってしまいます。

せっかく受け入れる事で開きかけた子どもの心を閉じるのはやめましょう。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、「反省させると犯罪者になります」の一部を紹介しました。

Take Home Message

●問題行動を起こした時、すぐ反省させるのは逆効果

●反省のプロになっても更生はできない

●問題行動と自分の感情を結びつけることが、真の反省に繋がる

●負の感情が貯まると、問題行動(大きいものは犯罪)が生じる

●親の受容的な姿勢が子どもの心を開き、負の感情を引き出せる

●親にされた子育ての見直しも場合によっては必要

●問題行動をチャンスと捉えて子どもの感情を引き出そう

という感じです。

タイトルを見ると、なんじゃこりゃ?という感じでした。

しかし前半の受刑者の例から多くの事例を出されると、ただ反省させることの危険性を改めて考えさせられました。

子どもの感情形成における親の役割は非常に重要です。

負の感情を溜め込まないような子育ては意識したいものですね。

興味が沸いた方は是非本書も読んでみて下さい。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

明日からの子育てのお役に立てれば嬉しいです。

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