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子供の才能を伸ばす時に注目すべき4つの視点

こんにちは。Dr.パパスです。

将棋の天才・藤井聡太さんの活躍から注目され始めた「モンテッソーリ教育」。

子供のありのままを受け止めて子供の能力を引き出す、というのが根幹にある教育です。

最近、このモンテッソーリ教育に「ハーバード式」を掛け合わた本を読みました。

ハーバード式教育というよりは、ハーバード大学の教授が提唱した「知能の捉え方」を意識しようという趣旨でした。

これは自分の子供の才能を見出すために重要な考え方だと思い、私なりにまとめてみました。

うちの子はどんな才能も持っているのか?

その才能を伸ばすにはどうすればいいのか?

という点が分かります。

この記事でわかること
●ハーバード大学教授が提唱した8つの知能に着目

●8つの知能を大別すると、学業・運動・社会性・感性

●子供のペースを大切にすることで才能が伸びる

結論:学力・運動・社会性・感性に注目

子供の知能はIQでは測れない

以前の記事でも触れたように子供、というか人間の知能はIQという一つの数字で測れません

IQが低くてもいつの才能が突出してして活躍している人もいます。

一方でIQがいくら高くても社会に出てから苦労する方もいます。

研究者の中には、「知能指数が高いというのは、IQテストを解くのが上手なことに過ぎない」

と言っている方もいるくらいです。

多重知能理論とは?

ではどうすれば、子供の知能を評価することができるのでしょうか?

一つの方法としてハーバード大学ハワード・ガードナー教授が提唱した「多重知能論」があります。

ハワード・ガードナー教授は発達心理学者で、同大学院の認知と教育の研究教授です。

多重知能理論では、知能を8つに分類しています。

8つの知能
①言語的知能

②論理数学的知能

③空間的知能

④身体運動的知能

⑤音楽的知能

⑥対人的知能

⑦内省的知能

⑧博物的知能

人によって長所や短所があるように、個人によって高い知能と低い知能があるという考え方です。

自分の子供の才能はどこにある?

「うちの子はどんな才能を持っているのかわからない」

「うちの子は何をやっても上手くいかない」

と悩む親御さんもいるかと思います。

多重知能理論の素晴らしいところは、8つの知能それぞれに着目することで子供の才能を発見しやすくなることです。

例えばいつもぼーっとして何も考えてないように見える子供でも、実は内省的知能が高い可能性があります。

内省的知能は、自分をよく理解し、自分の中でよく考える知能です。

周囲をよく観察し、自分なりの答えを吟味して探しているのかもしれません。

運動や学力といった知能は評価の尺度が分かりやすく、普段の生活で目につきやすいです。

一方で、内省的知能や博物的知能(自然を感じる知能)は目立ちにくいです。

しかしそういった知能は創造性を生む重要な知能だったりします。

一つのモノサシで見ていては気付くのも困難な知能ですよね。

子供の才能を伸ばすためにも、親が色々な視点から子供のもつ知能を見つけてみましょう。

各知能の注目ポイント

ここからは、8つの知能を4つに大別して解説します。

学力

学力のカテゴリーは、言語的知能・論理数学的知能・空間的知能です。

簡単に言うと、それぞれ言葉・数・絵の知能になります。

 

言語的知能はわかりやすく、言葉を理解し使いこなす能力です。

他者とのコミュニケーションのために必要なだけでなく、本を読んで勉強する際にも重要です。

この知能を伸ばすには、インプットだけでなくアウトプットが大事です。

英語の読んだり聞いたりするだけでは、話せるようになりませんよね?

 

論理数学的知能は、計算だけでなく問題を論理的に分析する知能です。

プログラミング教育が必修化されたように、社会に出ると物事を論理的に考える必要があります。

数字の概念も物事を客観的に評価する際には重要ですよね。

数字というのはただ数えているだけでは、音しか残らないそうです。

イチ、ニ、サンという名称(数唱)と、実際にあるもの(数量)と、1、2、3という数字そのもの(数詞)を揃えないと子供は数字という概念を理解できません。

そのため、数字を勉強する際には実物を数えるのが最も効果的です。

 

空間的知能は、視覚的に空間のパターンを認識する知能です。

これは絵の知能でもあり、クリエイティブな仕事をする方に高い知能です。

絵を描くには、物と物との距離や間隔、色の組み合わせといったモノと空間を認識する必要があります。

この知能を伸ばすには、積み木や折り紙といった遊びが最適です。

Dr.パパス

お受験に必要な展開図や四方観察にも必要な能力ですね

運動

運動はそのままで、身体運動的知能です。

体を問題解決や想像のために使う能力で、運動能力やスポーツ神経(造語)に直結します。

これは比較しやすいので、評価がしやすいです。

実は子供の運動能力の土台は乳児期のハイハイや握る動作、バランスを取る動作で培われるそうです。

乳児期からこの辺りは意識するといいかもしれません。

社会性

社会性のカテゴリーに属するのは、対人的知能と内省的知能です。

対人的知能はそのままで、他人の感情や意図を理解して、上手な関係を作る能力です。

簡単にいうとコミュニケーション能力が高いというやつですね。

クラスに一人くらいはいるみんなの人気者はこの能力が高いです。

コミュニケーションは今後のAI社会においても必須スキルとも言われており、これからより重要視されるかもしれません。

この能力を伸ばすには様々な年代の人とコミュニケーションをとることです。

近年は親戚づきあいが減り、さらに新型コロナの影響で他のコミュニティとの付き合いが難しくなっています。

そのため、大人が工夫して子供にそういった経験をさせる場を設けたいものです。

 

もう一つの社会性の知能は、内省的知能です。

上でも少し触れましたが、自分の長所や短所を理解した上で、目標達成や動機づけを自律的に行う能力です。

この能力の長けている人は一見すると妄想タイプですが、実は起業家はこの能力が突出しています

自分の長所を知り、自分で目標をたてて行動する能力は正に起業家に必要ですよね。

感性

感性のカテゴリーに属するのは、音楽的知能と博物的知能です。

音楽的知能は、音の種類やリズム、音程を識別する能力です。

この能力はそのまま楽器の演奏や作曲の得手不得手に結びつきます。

音をよく聞ける力は言語の習得に役立ちますし、リズム感が良い子は踊りも時です。

この知能は音楽に触れ合うことで伸びます

そのため両親が得意でなくとも、幼少期から音楽を意識的に聞くようにすると良いです。

オススメは伝統的な音楽であるクラシックのようです。

また以前の記事でも紹介したように子供でも参加可能なコンサートも良いですね。
参考 子連れコンサート@サントリーホールパパクエ

 

もう一つが博物的能力です。

この能力は自然や人工物の種類を識別する能力です。

自然は人工物と違い、同じものがないように多彩な表情を持ちます。

そのため、自然を感じる力は小さな変化や違いにも気付くセンスに繋がります

この能力を伸ばすには自然を体験するに限ります。

公園での砂遊びや虫取り、落ち葉やどんぐり拾いなのは身近な自然で触れ合いやすいです。

それに小さい子供ほど興味を持ちますよね。

大人になって思いますが、このわずかな変化や違いに気付く能力は非常に重要です。

特に実験を生業とする研究職では、成功を見逃さないためのスキルだったりもします。

是非お子さんが興味を持った自然は積極的に体験させてあげましょう。

知能の効率の良い伸ばし方

ここまではハーバード大学教授 ハワード・ガードナーが提唱した8つの知能を解説しました。

それぞれの伸ばし方は簡単に書きましたが、全体に共通して伸ばすコツを最後に紹介します。

子供の選択を大切に

子供の知能を伸ばすコツは「子供が選んだものを目一杯やらせてあげる」ことです。

人間の脳はよくできていて、生きるために必要な能力を効率よく得られるように行動を選びます。

特に子供は遊びの中で多くを学びます。

例えば乳幼児は、積み木を持つことで掴む力を鍛えつつ、空間認識能力も養っています。

これは子供がその能力を鍛えたいと思い、その遊びをしているのだそうです。

そのため、親は子供が選んだ遊びを目一杯やらせてあげてください

そうすることで、「その時に最も伸びる知能」を伸ばすことができるわけです。

フロー状態を経験させる

もう一つのコツは「フロー状態を経験させる」事です。

自分の持つ知能を最も発揮するにはこのフロー状態が必要です。

高い集中力を要するプロ棋士やスポーツ選手はフロー状態に入って才能を発揮しているわけです。

実はこのフロー状態は良く子供がなっているのを見ている方は多いかと思います。

子供の時ほど何かに熱中して周りが見えなくなることってありませんでしたか?

このフロー状態の時に子供の邪魔をしないというのが非常に重要です。

注意
集中している子供には声をかけない!

というのもフロー状態に入るには5つのステップがあります。

①やりたいことをする→②何度も繰り返す→③集中してやる→④達成感を味わう→⑤満足する

のステップです。

①は子供の選択を尊重することで達成できます。

大事なのは②と③のステップで親が干渉しないことです。

何度も繰り返している時にアドバイスをしたり、集中している時に声をかけたりは避けましょう。

繰り返している時は子供なりに色々な知能を使い試行錯誤をしてます。

集中している時は正にフロー状態なので、集中を途切れさせないようにしましょう。

④のステップに至った時に、親は子供の達成感に共感を示してあがればいいのです。

ここでも注意点があり、達成したからと言って親が終わりを決めないことです。

子供は満足するまで行う⑤のステップを踏んで始めてフロー状態を経験しきるそうです。

せっかく④まで我慢できたのであれば、子供が飽きるまで作業に没頭させてあげましょう。

まとめ

いかがでしたか?

今回は子供の才能を伸ばす時に意識すべき視点をして、8つの知能に関して紹介しました。

まとめると、

①子供の知能は、IQテストでは測れない

②子供の知能は、学業・運動・社会性・感性に大別される

③学業に関する知能は、言語的知能・論理数学的知能・空間的知能

④運動に関する知能は、身体運動的知能

⑤社会性に関する知能は、対人的知能と内省的知能

⑥感性に関する知能は、音楽的知能と博物的知能

⑦子供の知能を効率よく伸ばすには「子供の選択を尊重」し、「フロー状態を経験させる」

とう感じでした。

8つの知能に注目することで今まで自分の子供に見えなかった才能が見えるかもしれません。

特に社会性の知能の中の内省的知能は良く注目しなと見つけられませんよね。

感性に関する知能は学業や運動に力を入れている家庭だと見落とされがちです。

どの知能もバランス良く育てることが重要なので、音楽や自然に触れ合う機会も大切にしたいですね。

 

以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

明日からの子育ての参考にしていただけると嬉しいです。

 

参考図書はコチラ。

8つの知能を伸ばす具体的な方法も後半に書かれていますので、具体例も知りたければ是非読んでみて下さい。

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